WEB会議用イヤホンを真剣に選んでみた——VPUとANCで「二重音声の気持ち悪さ」を解消する
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きっかけ——骨伝導ヘッドホンのまさかの弱点
職場のWEB会議用に Shokz OpenComm2 を使っていました。耳を塞がずに周囲の音が聞こえる快適さが気に入っていたのですが、あるシーンで困った現象に気づきました。
同じWEB会議に、すぐ近くの席の同僚も参加しているとき。
同僚の「生の声」が直接耳に入ってきて、そこに少し遅れてWEB会議越しの同じ声が重なる——いわゆる 二重エコー です。骨伝導ヘッドホンは耳が開いているため、避けようがありません。
そこでGeminiに相談してみました。
問題の原因:「聞く」と「話す」の骨伝導を混同していた
Geminiの回答で初めて気づいたのですが、骨伝導には 「聞く側」と「話す側」 があり、用途が全く逆です。
| Shokz OpenComm2 | SONY XM5 / Technics AZ80 | |
|---|---|---|
| 聞く(スピーカー) | 骨伝導 | 空気伝導+強力ANC |
| 話す(マイク) | 空気伝導(ブームマイク) | 骨伝導(VPU) |
Shokzは スピーカー側が骨伝導 なので耳が開いたまま。そこに外の音が入ってきてしまうのが問題の根本でした。
解決策はシンプルで、耳をしっかり塞いでANCで生の声をシャットアウトする こと。その上で、マイク側は VPU(骨伝導マイク) で自分の声だけをクリアに拾う——この2つが揃えば完璧な解決になります。
VPU(骨伝導マイク)の仕組み
VPUとは Voice Pickup Unit の略で、声帯の振動が骨を伝わってくる物理的な動きをセンサーで検知する技術です。
なぜ隣の同僚の声を拾わないのか? それは、隣の人の声がいくら大きくても、その空気の振動は「自分の頭蓋骨を物理的に揺らす」ことがないからです。骨が揺れている=自分が話している、とシステムが正確に判定できます。
実際には「骨の振動センサー」と「口元を狙う通常のマイク」を組み合わせ、AIで処理することでナチュラルな声質を実現しています。
選ぶべきイヤホンの条件
今回の環境(会社・個人それぞれ別のApple IDのiPhone)に必要な条件をGeminiと整理しました。
| 条件 | 内容 | 理由 |
|---|---|---|
| 強力なANC | アクティブノイズキャンセリング | 隣の同僚の生の声を物理的に遮断する |
| VPU(骨伝導マイク) | 骨の振動で自分の声だけを検知 | 会議の相手にも周囲の雑音を聞かせない |
| マルチポイント接続 | 2台のiPhoneに同時接続 | 別Apple IDでもBluetooth手動切り替えが不要 |
AirPods Pro 3はノイキャンもVPUも最高峰ですが、マルチポイント非対応という致命的な弱点があります。毎回手動でBluetooth切り替えは現実的ではないため、今回の用途には合いません。
候補イヤホン比較一覧
Geminiに整理してもらった比較表です(価格は実売価格の目安)。
| モデル名 | 発売時期 | 実売価格 | VPU | ANC性能 | マルチポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| HUAWEI FreeBuds 7i | 2025年10月 | 約13,000円 | ✅ | 強力 | 2台 |
| HUAWEI FreeBuds Pro 4 | 2025年2月 | 約28,000円 | ✅ | 非常に強力 | 2台 |
| AirPods 4(ANC搭載) | 2024年9月 | 29,800円 | ✅ | 中程度(開放型) | ❌ |
| Technics EAH-AZ80 | 2023年6月 | 約36,000円 | ✅ | 非常に強力 | 3台 |
| Bose QC Ultra Earbuds | 2023年10月 | 約39,000円 | ❌ | 最高峰 | 2台 |
| Technics EAH-AZ100 | 2025年1月 | 約39,600円 | ✅ | 非常に強力 | 3台 |
| AirPods Pro 3 | 2025年9月 | 39,800円 | ✅ | 最高峰 | ❌ |
| SONY WF-1000XM6 | 2026年2月 | 約44,550円 | ✅ | 最高峰 | 2台 |
VPU・ANC・マルチポイントをすべて満たすのは、SONY陣営とTechnics陣営のみです。
各モデルのポイント
Technics EAH-AZ100(現時点の本命)
2025年1月発売の最新フラッグシップ。3台同時マルチポイント対応なので、PCも含めて繋ぎっぱなしにできます。「JustMyVoice」技術にVPUが核として使われており、ビジネス用途への設計思想が明確。予算4万円以内に収まる点も好印象です。
SONY WF-1000XM6
前モデル比でANC性能が約25%向上し、現時点で世界最高峰のノイキャンを誇ります。XM5から引き継いだVPUも「ソニー史上最高」の通話品質とのこと。予算は約4.4万円とわずかにオーバーしますが、性能面では文句なしの最適解です。
Bose QuietComfort Ultra Earbuds
ANC性能は他を圧倒するレベルで、真横の同僚の声もスッと消えるような静寂を提供します。ただしVPU非搭載のため、マイク側での隣人の声の遮断力はSONY・Technicsに一歩譲ります。
HUAWEI FreeBuds 7i
1万円台でVPUとANCを両立するコスパ最高モデル。とりあえず試してみたいという場合の最初の一歩に最適です。
今後の購入に向けて
最終的な候補は Technics EAH-AZ100 または SONY WF-1000XM6 の2択に絞れました。
- デバイスが多くPCも含めて切り替えたい → Technics AZ100(3台同時接続)
- とにかく隣の声を消すANC性能を最優先 → SONY XM6
コスパ重視で試してみたい方には、1万円台でVPU+ANCを両立する HUAWEI FreeBuds 7i もおすすめです。
今使っているLinkBuds Openは開放型なので「二重音声問題」を解決できませんが、自宅での作業用として引き続き活用する予定です。
次は実際に試聴してから購入を決めたいと思います。決断したらまたレポートします。
💡 VPUとは Voice Pickup Unitの略。声帯の振動が骨を伝わる物理的な動きをセンサーで直接検知することで、周囲の音に関係なく「自分の声だけ」を拾える技術。SONYでは「骨伝導センサー」、Appleでは「音声検知加速度センサー」と呼ばれるが仕組みは同じ。
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よくある質問
Q. Web会議で「二重音声」が発生する原因は何ですか?
隣席の同僚と同じWeb会議に参加しているとき、同僚の生声とWeb会議越しの声が時間差で重なることで発生します。骨伝導ヘッドホンなど耳を塞がないタイプのイヤホンでは、外の音が直接入るため避けられません。ANC付きカナル型イヤホンに切り替えることで解決できます。
Q. VPU(骨伝導マイク)とは何ですか?普通のマイクと何が違いますか?
VPU(Voice Pickup Unit)は、声帯の振動が頭蓋骨を伝わる物理的な動きをセンサーで検知する技術です。隣の人の声は空気中の振動なので、自分の骨を揺らすことがありません。そのため、騒がしいオフィスでも自分の声だけをクリアに拾うことができます。通常のマイクは周囲の音も拾ってしまうのに対し、VPUは物理的に自分の声だけを分離できる点が最大の違いです。
Q. AirPods ProはWeb会議用イヤホンとして使えますか?
AirPods Pro 3はVPUもANC性能も最高クラスですが、マルチポイント接続に非対応です。会社用と個人用など2台のデバイスを切り替えて使う場合、毎回手動でBluetooth接続を切り替える必要があり、業務利用では不便です。1台のデバイスでのみ使う場合は十分に選択肢になります。
Q. Web会議用イヤホンを選ぶときに最低限必要な機能は?
業務で快適に使うには、(1) 強力なANC(周囲の声を遮断)、(2) VPU搭載(自分の声だけをクリアに拾う)、(3) マルチポイント接続(複数デバイスの同時接続)の3つが揃っていると理想的です。特にオープンオフィスで隣席の同僚と同じ会議に出る場合、ANCとVPUの組み合わせが二重音声問題の根本的な解決策になります。







